本業が忙しく更新が滞っておりました。
それでは2週まとめて振り返っていきましょう
3/13 (Mon)
SVB(シリコンバレー銀行)に端を発したシステミックリスクの高まりを受け次回FOMCでの利上げ観測が後退、米金利が急低下したことから、ドル円は一時132円台前半まで大幅に下落しました。ユーロドルは1.07ドル台を回復し3日続伸、ポンドドルは4日続伸し1.22ドル目前まで値を戻しました。
▶欧州時間:欧米金利低下、株安で円独歩高
ドル円は早朝窓を空け133円台半ばまで下落後、先週末終値付近まで値を戻したものの135円台は重く、再び134円を割り込んだのち134.30円台でクローズ。欧州通貨は上昇、ユーロドルは1.07ドル台、ポンドドルは1.21ドル台に乗せ欧州時間を迎えました。
ユーロドルは高値圏でのもみ合いで始まりましたが、18時台に入りイタリア・ウニクレディト銀行株がストップ安で取引停止となると欧州株の一段安に伴い反落、1.07ドルを割り込み1.0660ドル台まで下落しました。つれ安となったポンドドルは19時半過ぎには1.20476ドルまで値を戻しました。
ドル円は134.10円台を底にじり高で始まったものの134.70円には届かず、17時台に入り米金利が低下幅を拡大、欧米株の下落に伴いクロス円が下落すると売りに転じ、米10年債利回りが3.50%を下回った18時台には133円を割り込みました。
米10年債利回りは3.50%割れからNYオープン頃には3.60%台に持ち直したことからドル円は133.80円付近まで値を戻しNY時間となりました。
▶NY時間:欧米金利下げ止まり、米株持ち直しで欧州通貨上昇
1.07ドル台から反落したユーロドルは、21時台には1.0650ドル付近まで下落しましたが、21時半を過ぎ欧米金利は底打ちし、ダウ先物が急反発すると再び上昇に転じました。NY昼頃には「3月ECB理事会では50bpの利上げを維持する見込み」との一部報道に一段高となり、2時過ぎには1.07483ドルまで高値を更新しました。ポンドドルはNY序盤から底堅く推移し、23時半過ぎには欧州高値を上抜けて1.2170ドル台まで上昇、NY午後には1.21991ドルまで上値を伸ばしました。
ドル円は欧米金利の低下に伴い21時台には132.281円まで安値を更新しましたが、欧米金利が下げ止まるとともに、ダウ先物が反発上昇しクロス円の買い戻しが強まると133円台を回復、4時過ぎには133.60円台まで値を戻しました。
5時過ぎ、米2年債利回りは昨年9月以来の水準となる3.9350%まで低下しましたが、NY終盤でドルの反応は鈍く、結局ドル円は133.20円台で引け3日続落、ユーロドルは1.0730ドル付近で引け3日続伸、ポンドドルは1.2180ドル台の高値圏で引けました。
▶その他
原油は反落、一時年初来安値に迫りました。天然ガスは4営業日ぶりに反発。
金スポットは1900ドル台に乗せ大幅続伸、銀スポットも3日続伸し22ドルに迫りました。
3/14 (Tue)
前日大幅に低下した米金利の巻き戻しを受けドル円は一時134円台後半まで反発しました。一方、欧州通貨は株高を背景に底堅く推移し、ユーロドルは前日とほぼ変わらぬ1.0730ドル台で、ポンドドルは若干値を下げたものの1.2150ドル台で取引を終えました。
▶欧州時間:欧米金利上昇でドル円じり高
ドル円は、米2年債利回りが前日の低下幅を縮める動きにつれ、133.031円の安値から134.028円へほぼ一円上昇し133.85円近辺で東京をクローズ。ユーロドルは1.0730ドル台から1.07ドル割れ、ポンドドルは1.2180ドル台から1.2140ドル台まで下落し上値が重いなか欧州時間を迎えました。
東京引け後に米金利が急低下するとドル円は133.19円まで下落、ユーロドルは1.0715ドル付近、ポンドドルは1.2180ドル台まで上昇しましたが、米金利は直ぐに元の水準へ戻し、ダウ先物がマイナス圏へと下落するとユーロドルは売りに転じ1.06791ドルまで安値を更新、一方ポンドドルはユーロポンドの売りに下支えされレンジ内に留まりました。
16時発表の英2月雇用統計は失業率が前月を下回った一方で、週平均賃金が約1年ぶりに伸び率が鈍化するなど区々な結果となり、ポンドへの影響は限定的でした。
16:00 2月英雇用統計 失業率 3.8%、前回 3.9%
失業保険申請件数推移 -1.12万件、前回 -3.03万件
週平均賃金 +6.5% 予想 +6.6%
ILO失業率 3.7% 予想 3.8%
17時台に入り米金利が上昇基調を取り戻すとドル円は反発、17時半過ぎには東京高値を上抜けて134.30円台まで上値を伸ばしました。ユーロドルはユーロクロスの買い戻しに安値からじり高となり1.0720ドル付近まで上昇、ポンドドルは概ね1.2150ドル台での横ばいのままNY時間となりました。
▶NY時間:米金利上昇、株高、ドル失速
NY序盤からダウ先物が強含み高値を上抜けると、ユーロドルは1.0730ドル台へ続伸、ポンドドルも1.2180ドル台に乗せともに早朝高値に迫るなか、注目の米2月CPIの発表を迎えました。
21:30 米2月CPI (前月比)+0.4%、予想 +0.4% 前回 +0.5%
(前年比)+6.0%、予想 +6.0% 前回 +6.4%
コア指数(前月比)+0.5%、予想 +0.4% 前回 +0.4%
(前年比)+5.5%、予想 +5.5% 前回 +5.6%
ほぼ予想通りの結果だったものの、発表直後の米金利の乱高下につれてドル円は133.85円から134.65円、ユーロドルは1.07013ドルから高値となる1.07486ドル、ポンドドルは1.2145ドルから高値1.22029ドルのレンジを形成。その後米10年債利回りがレンジを上放れると徐々にドル買いが優勢となりました。
米10年債利回りは23時半頃3.68%台で頭打ちとなるとドル買いは漸く一服、ドル円は高値@134.899円から反落、ユーロドルは1.07ドル割れから反発しました。しかしポンドドルはユーロポンドが再び強含んだことから上値は重く、24時台には逆行安となり1.21367ドルの安値を付けました。
ドルはNY午後には軟調気味に推移し、ドル円は134.60円付近を戻り高値に一時134円を割り込んだのち134.20円台で引け4日ぶりに反発。ユーロドルは1.0710ドル付近を底に強含むと、4時前には1.07493ドルまで僅かながら高値を更新したのち1.0730ドル台でクローズ。ポンドドルは1.2140ドル付近から一時1.2180ドル台まで戻したもののの、最後まで堅調だったユーロポンドに上値を抑えられ1.2150ドル台で引け5営業日ぶりの反落で終わりました。
▶その他
米10年債利回りは、2時過ぎに3.58%近辺まで戻したのち再び上昇基調に回帰、3.69%に迫っての高値引けとなった一方、米2年債利回りは4.39%台半ばまで戻したのちNY午後には上昇幅を縮め4.25%付近で引けました。
米株は上昇。寄り付きから堅調だったダウ平均は4時過ぎには一時マイナス圏へ沈みましたが、引けにかけて切り返し強含みで取引を終えました。
原油は続落、一時70ドル台に突入し年初来安値を更新しました。天然ガスは小幅反落。
金スポット、銀スポットともに上昇は小休止、前日から反落しました。
3/15 (Wed)
米銀の経営破綻が経営難が噂されるスイス大手銀行へ飛び火し株価が大幅に下落したことからリスク回避の動きが強まり、円とドルとが買われました。ユーロドルは1.07ドル台半ばから1.05ドル台前半へ急落、ポンドドルも1.21ドル台後半から1.20ドル台前半へつれ安となりました。ドル円は米金利の急低下に伴い135円台前半を高値に一時132円台前半まで3円近い下落を見ましたが、NY午後には133円台後半へと持ち直し133円台半ばで取引を終えました。
▶欧州時間:株急落、金利急低下で円買い戻し
ドル円は五十日ということもあり仲値に向け買われ134.60円まで上昇。その後の押し目も134円台を維持すると、午後には再び買いが強まり134.60円台の高値圏で東京をクローズ。ユーロドルは1.07596ドルを高値に1.0730ドル台へ失速、ポンドドルは1.2180ドル付近から1.2150ドル付近へ反落するなか欧州時間となりました。
東京引け後、米金利の動きに伴いドル円は134.80円台まで上昇後134.55円付近へ反落しましたが、16時台に入りECB関係者筋の話として「ECBは基調インフレ見通しを引き上げ、木曜の理事会でなお50bp利上げに傾いている」と報じられると、ユーロ円の上昇につれ反発、17時台には月曜高値@135.044円を上回り135.118円の高値を付けました。ユーロ円も高値を144.964円まで伸ばしましたが、ユーロドルの上値は重く1.07443ドルまでの上昇に止まりました。
18時前、前日に過去の財務報告に「重大な弱点」があったと開示したクレディスイスに関し、筆頭株主であるサウディ・ナショナル・バンクが追加支援の可能性を否定した、と報じられ株価が下落し金利が低下すると、ユーロドルは1.07ドルを割り込み売りが加速。前日安値@1.06791ドルを下回ったところで一旦下げ止まったものの、19時前には「中国、軍部に戦争準備の計画をより深めるよう指示」との報道も重なり金利が一段と低下したことから1.0620ドル近辺まで下落幅を広げNY時間を迎えました。
ユーロドルの下落につれポンドドルは1.2160ドル台から1.2060ドル台へと下落、ドル円はユーロ円を始めクロス円が全面安となるなか133.40円近辺まで反落しました。
▶NY時間:ユーロ続落、ドル円続落、ユーロ円大幅下落
クレディスイス株が大幅下落となるなか、フランスの銀行株にも取引停止が広がったことから、16日のECB理事会では利上げが見送られるのではないかとの憶測が強まり、ユーロ売りはNY時間に入っても止まらず、1.06ドルを割り込むと21時過ぎには1.0560ドル台まで下げ幅を拡大、ポンドドルは1.2040ドルまでつれ安となり、ドル円は133円を割り込みました。
21時半発表の経済指標は概ね予想を下振れる結果となったものの対欧州通貨でのドル売りは一時的で、ユーロドルは1.0595ドル近辺が戻り高値となり1.0520ドル台まで安値を更新、ポンドドルは1.2110ドル台まで反発したのち1.2040ドル台へ値を戻しもみ合いとなりました。
21:30 2月米PPI(前月比) -0.1%、予想 +0.3%
(前年比) +4.6%、予想 +5.4%
コア指数(前月比)±0.0%、予想 +0.4%
(前年比) +4.4%、予想 +5.2%
2月米小売売上高(前月比)-0.4%、予想 -0.4%
(除自動車/前月比)-0.1%、予想 -0.1%
3月米NY連銀製造業景気指数 -24.6、予想 -7.9
一方ドル円は、米金利の低下に素直に反応し、22時過ぎには月曜安値@132.281円を下抜け132.215円の安値を付けましたが、ストップロスを付け終わるや133.20円台まで反発、ユーロ円も139.483円を安値に140.60円台まで値を戻しました。
買戻し一巡後は安値圏でのもみ合いとなるなか、3時半頃「スイス当局、クレディスイス安定化への選択肢を協議」と報じられると米株は買い戻され、金利は低下幅を縮小、ドル円は133.77円まで、ユーロ円は141.50円台まで反発し、NY昼前には1.05167ドルまで安値を更新していたユーロドルは1.0590ドル台まで値を戻しました。
4時台に入りスイス中銀は「必要ならばクレディスイスに流動性を供給する」と正式に声明を出しましたが、既にショートカバーも済んでいたか反応は限定的で、ドル円は133.40円台、ユーロドルは1.0570ドル台、ポンドドルは1.2050ドル台でこの日の取引を終えました。
▶その他
米金利は大幅低下。米10年債利回りは3.70%台半ばから3.3803%まで低下したのち3.45%台半ばでクローズ。米2年債利回りは4.4070%から3.7115%まで低下し引けは3.88%台後半。
米株は区々。ダウ平均は一時700ドル超安まで売られましたが終盤持ち直し280ドル安。ナスダックは小幅ながら3日続伸しました。S&Pは反落。
原油は3日続落、一時65ドル台まで大幅に下落しました。天然ガスは続落。
金スポット、銀スポットはともに反発しました。
3/16 (Thu)
スイス中銀によるクレディスイスへの支援策が決定したものの金融システムへの不安は完全には払拭されず、金利低下、株価下落が続きました、しかし、NY時間に入り米地銀支援策が発表されたのを機に米金利は反発し、米株は反転上昇、全面高となっていた円は一転全面安となりました。ドル円は131.70円台まで下落後133.80円台へと反発し高値圏での引けに。ユーロドル、ポンドドルは米株の上昇を好感し前日から反発しました。またECB理事会は50BPの利上げを敢行、政策金利を3.00%としました。
▶欧州時間:金利横ばい・株価失速・ドルはもみ合い
ドル円はリスク回避の売りが先行し132.50円まで下落しましたが、スイス中銀がクレディスイスへ最大500億フランの借入枠を提供するとの報道に133.496円まで反発しました。しかし133円台半ばは重く再び132円台半ばへ押し戻されて東京をクローズ。ユーロドルは1.0570ドル台を底にじり高が続き1.06155ドルまで上値を伸ばし、ポンドドルも1.2040ドル台から1.2080ドル台へと上昇、堅調地合いのまま欧州時間となりました。
ドル円は、欧州時間を通じ米金利が前日終値を上回る水準で上下動する動きにつれ132.50円台から133.20円台のレンジで一進一退。ユーロドルは欧州株が寄り付きから上昇して始まると1.06352ドルまで高値を更新しましたが、株価の失速に伴い1.06ドルちょうど近辺へと値を戻し、ポンドドルは1.2110ドル台まで上昇したのち1.2040ドル付近まで反落し安値圏でNY時間を迎えました。
▶NY時間:米銀救済案に相場一転、金利上昇・株高・円安
NY勢参入後に米金利が低下、米10年債利回りがマイナス圏に沈むとドル売りが先行、ドル円は東京安値@132.50円を下回り132.30円台まで下落、軟調だったポンドドルは1.2030ドル台を底に1.2060ドル台へ反発しました。一方ECB理事会を前にユーロドルは1.06ドル台前半での小動きが続きました。
21時半発表の米経済指標は住宅関連指標が良好、新規失業保険申請件数は昨年7月以来の大幅減少となりドル買いが強まりましたが影響は一時的で、直後に「ECBは火曜日、ユーロ圏財務相にユーロ域内の一部の銀行は金利上昇に対して脆弱な恐れがあると報告した」と報じられると欧州主導で金利が急低下。ドル円は132.70円台を戻り高値に132.10円台へ下げ幅を拡大、ユーロドルは1.0675ドル付近まで売られました。
21:30 米2月住宅着工件数 145.0万件、予想 131.0万件
米2月建設許可件数(前月比)+13.8%、予想 +0.5%
米新規失業保険申請件数 19.2万件、予想 20.5万件
米3月フィリー連銀製造業景気指数 -23.2、予想 -15.6 前回 -24.3
22時15分、ECB理事会は事前にコミットしていた通り50bpの利上げを決定。金融不安の高まりから直前に利上げ観測が後退していたこともあり金利は上昇、ユーロドルは1.0615ドル付近まで買われましたが、声明ではフォワードガイダンスが削除されデータ結果重視を強調、コアインフレ見通しが引き下げられたほか、金融安定化にも配慮した内容となると独金利は発表前の水準よりも低下、ユーロドルは1.05513ドルの安値を付けました。ユーロドルにつれユーロ円も139円台前半まで売られたことからドル円は132円を割り込み131.720円まで安値を更新しました。
その後、ラガルド総裁の会見が始まると独金利は反発、ユーロドルは1.0620ドル付近まで値を戻しましたが、会見が続くなか独金利が再び低下、10年債利回りは2.12%割れまで安値を更新すると反落。もっとも安値更新には至らず1.0570ドル台で下げ止まりました。
24時前、「米大手銀行が経営危機のファースト・リパブリックへの支援を協議」と報じられると金利は急騰し株価は上昇。その後も救済案に関する報道が続けざまに流れたことから金利と株価の上昇は引けまで続き、131円台後半から反発したドル円は133.827円まで高値を更新し133.70円台でクローズ。ユーロドルは株価の上昇につれ1.06ドル台を回復し1.0610ドル台で、ポンドドルは1.21270ドルまで高値を伸ばし1.2110ドル付近で取引を終えました。
▶その他
米金利は高値引け。10年債利回りは3.57%台、2年債利回りは4.15%台で引けました。米株は救済策を好感し大幅高。
原油は4日ぶりに小幅反発。天然ガスは3日ぶりに反発しました。
金スポットは小幅続伸。銀スポットは小幅反落。
3/17 (Fri)
前日の米地銀救済策をもってしても金融不安は依然として払拭されるには至らず、金利は再び低下し株価が反落するなか、ドルは全面安となりました。
▶欧州時間:株価反落・金利低下で欧州通貨失速
前日のNYマーケットでは、米地銀救済案を好感し米金利・米株が急反発、ドル円は133円台後半まで大きく値を戻し高値圏での引けとなりましたが、日が替わると週末を前にドル円は早朝から一転売りが先行、米金利の低下に伴い132.80円台までじりじりと値を下げ、133円ちょうど近辺で引けました。ユーロドル、ポンドドルは米金利が失速するなかじり高となり、ユーロドルは1.0650ドル近辺、ポンドドルは1.2160ドル手前まで上値を伸ばし高値圏で欧州時間を迎えました。
前日の利上げ決定後、欧州序盤からECBメンバーからの発言が報じられました。概ね大幅利上げを追認、利上げ継続を示唆する発言もありましたがマーケットへの影響はありませんでした。
・ミュラー・エストニア中銀総裁
「次回の金利決定については予測したくない」
「現状のインフレ予想からは更なる利上げが推測される」
「利上げが終わりと結論づけるには早すぎる」
「コアインフレが弱まっている兆候はない」
・ビルロワドガロー・仏中銀総裁
「インフレとの戦いが最優先課題」
「予告通り、0.50%の利上げを行った」
「大幅利上げは、欧州の銀行への自信の表れ」
・シムカス・リトアニア中銀総裁
「3月が最後の利上げだと思わない」
「ターミナルレートに到達していない」
・カジミール・スロバキア中銀総裁
「コアインフレが頑なで厄介」
「現状の事件の中でも引き締めを継続しなければならない」
「5月の決定についての憶測は無意味」
ユーロドルは欧州序盤に米金利がじりじりと低下幅を広げるなか、ダウ先物がプラス圏に浮上すると1.0650ドルを上抜け1.0670ドル手前まで上昇しました。しかし17時半頃をピークに株価が失速するとじり安に転じ1.0625ドル付近まで上昇幅を縮めました。ポンドドルも1.2175ドル付近まで高値を更新後、1.2130ドル割れまで反落しNY時間となりました。
ドル円は米金利が低下幅を拡大する動きに132.75円付近まで安値を更新したのち、株価の上昇につれ133.30円台まで反発しましたが、株価が失速すると伸び悩み、133円台前半でのもみ合いが続きました。
▶NY時間:金利低下、株下落、ドル全面安
NY勢参入後、前日に反発したクレディスイス株が下落幅を広げると、ダウ先物が続落、寄り付きは堅調だった独株も下落に転じユーロドルは1.0615ドル付近、ポンドドルは1.21138ドルまで下落しました。株価の下落に伴いクロス円が売られたことからドル円は持合いを下放れ132.50円台まで下げ幅を広げました。
21時過ぎにはSVBがチャプター11(米連邦破産法11条)適用を申請したと報じられると、持ち直しかけていた金利・株ともに一段安に。ドル円は132円ちょうど手前まで下落、一方ユーロドルは1.06124ドルで下げ止まり、結局ここが海外時間の安値となりました。
22時過ぎ発表の米2月鉱工業生産、設備稼働率はともに予想を下振れましたが、マーケットの反応は薄くドル円は132円台半ばへと自律反発。しかし、23時発表の3月ミシガン速報値が予想を下振れ、1年期待インフレ率も予想以上に低下する結果となると発表後には何とか持ちこたえていた金利、株価はともに失速、ドル円は132円を割り込みました。
22:15 米2月鉱工業生産(前月比)±0.0%、予想 +0.2%
設備稼働率 78.0%、予想 78.4%
23:00 米3月ミシガン消費者マインド速報値 63.4 予想 67.0 前回 67.0
1年期待インフレ率 +3.8% 予想 +4.1% 前回 +4.1%
その後、ECB理事会後恒例の関係者筋からのリーク、「経済かコアCPIが減速しないなら、5月にもう一度50bp利上げを支持する」とのコメントが報じられるとユーロの買戻しが強まりユーロ円が反発、ドル円は131.80円台から132.30円台へ値を戻しました。
しかし、2時を回り「少なくとも欧州大手4銀行がクレディスイスとの取引を抑制している」との報道に米金利が低下、米株が下落するとドル円は再び131円台に。しばらく前日安値@131.72円を前に下げ渋りましたが、4時前には遂に下抜け131.559円まで安値を更新しました。4時を過ぎると、週末を前に米金利低下と米株下落も一服、ドル円は一時132円台に乗せたものの維持できず131.70円台で週末を迎えました。
一方ユーロドルはNY午後に入ると一段と買戻しが強まり、1.0650ドル付近を上抜けると上昇が加速、4時前には1.0685ドルまで高値を更新し1.0660ドル台で取引を終えました。ポンドドルもユーロドルとともに上昇すると高値を1.21999ドルまで伸ばし1.2170ドル台で引けました。
▶その他
米金利は大幅低下、前日の上昇分をほぼ吐き出しました。
米株は反落、ダウ平均の下落は一時500ドルを超えました。
原油は年初来安値を更新、66ドル台半ばで引け前日から下落。
天然ガスも反落しました。
金スポット、銀スポットはともに大幅上昇、金スポットは昨年4月の水準まで年初来高値を更新しました。
まとめ
3月13日の週は134円台で始まり、17日金曜には132円を割り込んで取引を終えています。
上昇トレンドも怪しい雰囲気になってまいりました。
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