それでは振り返りましょう
3/6 (Mon)
先週末の流れから米10年債利回りの低下が続きましたが、NY時間に入ると反発、結局先週末比小幅上昇で引けました。ドル円は海外時間は米10年債利回りの動きへの反応は薄く135円台半ばから136円台前半でのレンジにとどまりました。また、欧州時間に軟調だったユーロドルはホルツマン・オーストリア中銀総裁発言を機に反発した独10年債利回りにつれ1.07ドル目前まで上昇しました。
▶欧州時間:欧米金利低下、ユーロ軟調
ドル円は早朝はドル買いが先行したものの、仲値過ぎにクロス円が売られると135.368円まで下落し安値を付けましたが、1日安値@135.26円には届かず135.80円付近まで値を戻しクローズ。ユーロドルは1.06ドル台半ばへ小幅上昇、ポンドドルは先週末高値@1.2048ドルを前に上げ渋り1.2035ドル付近で欧州時間を迎えました。
15時、ポルトガル中銀センテーノ総裁の「3月はインフレ予想の低下を注視すべき」「ECBはコアインフレではなく、ヘッドラインインフレを目標としている」「結論を急ぎ過ぎるべきではない」など若干ハト目な発言もマーケットには影響なくユーロドルは続伸、1.0650ドル台に何度か乗せましたがフォロースルーなく失速しました。19時ユーロ圏1月小売売上高が予想を下振れると、20時台には1.06226ドルまで下落し安値を付けました。
19:00 1月ユーロ圏小売売上高(前月比)+0.3%、予想 +0.6%
(前年比)-2.3%、予想 -1.8%
19時過ぎにはレーンECB専務理事が「現在の情報は3月以降の利上げ継続を示唆」「5月はデータ次第」など述べましたが、こちらも反応薄。
しかし、20時台にホルツマン・オーストリア中銀総裁が「景気抑制的な金利水準は4%から」「3、5、6、7月に50bp利上げすべき」などとタカ派らしい強気な意見を述べると低下基調だった独10年債利回りは反転上昇、ユーロドルは1.06ドル台半ばまで値を戻しNY時間となりました。
ドル円は、独10年債利回り低下にユーロドルが軟調に推移したことから、米10年債利回りの低下が続いたにもかかわらず寧ろじり高に推移、135.50円台を底に136.20円手前まで上昇し早朝高値を更新しました。
ポンドドルは1.2045ドル付近で頭打ちとなるとユーロドルにつれ反落、20時台には1.19936ドルまで下げ安値圏でNY勢を迎えました。
▶NY時間:欧米金利上昇
独10年債利回りの上昇につれ一旦下げ止まった米10年債利回りはNY序盤に再び低下、3.8952%まで安値を更新すると、ユーロドルは欧州時間高値付近、ポンドドルは1.2020ドル台まで値を戻し、ドル円は135.70円台へ反落しました。
23時台に入るとホルツマン発言をきっかけに反転した独10年債利回りが再び上昇を開始、ユーロドルは1.0660ドル付近をクリアに上抜けるとじりじりと上値を広げ、NY昼過ぎには1.06942ドルの高値を付けました。ポンドドルも1.20480ドルまで高値を更新、一方ドル円は135.60円台まで下押しした後は145円台に乗せたユーロ円の買いに下げ渋り136円手前まで値を戻しました。
NY午後に入り次第に動意薄となるなか、米10年債利回りがさらに上値を伸ばすと、ユーロドルは1.0670ドル割れ、ポンドドルは1.2015ドル付近まで反落、ドル円は一時136円台を回復しました。しかし引けにかけて米10年債利回りがNY午後の上昇分を吐き出したことから、ユーロドルは1.0680ドル台、ポンドドルは1.2020ドル台、ドル円は135.90円台でこの日の取引を終えました。
▶その他
米10年債利回りは3.96%台で引け先週末から小幅反発。
米株は区々。NY午後に入ると上昇の勢いを失い結局先週終値近辺に戻しました。
原油は売りが先行したもののNY時間には反発し80ドル台半ばへ5日続伸。
先週末1月下旬以来の3ドル台を回復した天然ガスは反落しました。
金スポット、銀スポットは欧州序盤に高値を付けたのち反落しました。
3/7 (Tue)
米上院半期金融政策報告でのパウエルFRB議長の発言を受け堅調だったドルは一段高となり、ドル円は137円台に乗せ年初来高値を更新、ポンドドルは昨年11月以来となる1.18ドル台前半まで下落しました。
▶欧州時間:対欧州通貨主導でドルじり高
東京昼過ぎ、RBAは市場予想通り25bpの利上げを決定。声明ではインフレがピークに達したなどハト寄りの内容となると豪ドルは0.67ドル台半ばから0.67ドル割れまで下落しました。ポンドドルとユーロドルはじり高となりましたが前日高値を前に上げ渋り、ドル円は136円を挟んでの小動きに終始し東京時間を終えました。
ユーロドルは欧州序盤、1.0675ドル付近までじり安となるなかドイツ1月製造業受注の予想上振れを受け反発し前日高値にほぼ並ぶ1.06943ドルまで上昇、ポンドドルもつれ高となり前日高値@1.2048ドルを上抜け1.20645ドルまで上値を伸ばし各々この日の高値を付けました。しかし、高値更新にも買いは勢い付くことなく欧州金利が低下し始めると失速、ユーロドル、ポンドドルともにじり安に転じました。
18時、ECB消費者サーベイで3年先のインフレ期待が前回12月の3%から2.5%に低下、12か月先も若干下方修正されるとドイツ10年債利回りの低下につれユーロドルは1.0650ドル台へ。
18時半過ぎには、マン・英MPC委員が「欧米のタカ派トーンが十分に織り込まれていなければ、ポンドはさらに下落する可能性がある」と述べるとポンドドルが1.20ドルを割り込むなど交互に下落しドルじり高が続きました。
ドル円は米10年債利回りの低下につれ18時過ぎには135.542円まで下落し安値を更新しましたが、米10年債利回りが下げ止まると反発、対欧州通貨でドルじり高傾向が強まるなか136円台に値を戻しNY時間を迎えました。
▶NY時間:パウエル発言でドル全面高
ユーロドルは安値圏の1.0650ドル台、ポンドドルは1.1980ドル台まで安値を伸ばしNY時間入り後、パウエル議長議会証言を前にマーケットはしばらく様子見となり小動きが続きましたが、徐々にドル買いが強まりユーロドルは1.0640ドル付近まで、ポンドドルは1.1960ドル台まで安値を更新、ドル円は136.30円台まで強含むなか証言時間となりました。
パウエル議長は「ターミナルレートは今までの予想よりも高くなる可能性が高い」「正当化されれば利上げのペースを加速させる用意がある」などと述べると米金利が上昇、ドル円は136.90円台へ続伸、ユーロドルは1.0580ドル台、ポンドドルは1.1880ドル台へ急落しドルは全面高となりました。
その後、米金利の上昇一服とともにドルは反落、ドル円は一時136.50円割れまで下押ししましたが、米金利は2年債主導で再び上昇。3時過ぎにパウエル発言前の水準まで戻していた米10年債利回りも3年債入札後に上昇を始めると、ドル円は137円台に乗せ年初来高値を137.191円まで更新し高値引け。ユーロドルは1.05464ドルまで下落、ポンドドルは1月安値を下回り昨年11月以来となる1.18223ドルまで年初来安値を更新しドル全面高で取引を終えました。
▶その他
米10年債利回りはパウエル証言直後に一時4%台を回復しましたが、引けは3.96%台で小幅上昇。一方米2年債利回りは大幅に上昇、5%を突破しました。
米株は大幅下落。ダウ平均は600ドル近くまで下落しました。
東京時間には81ドルに迫った原油は失速、パウエル証言後に急落すると77ドル台まで値を戻し6営業日ぶりに大幅反落しました。天然ガスは小幅反発。
金スポットは金利上昇を嫌気し大幅続落。銀スポットは20ドル手前まで急反落し年初来安値を更新しました。
3/8 (Wed)
ドル円は米金利の低下に伴い一時136円台半ばへと反落しましたが、終盤持ち直し137円台前半で引け3日続伸。ユーロドルは1.05ドル台での小動きに終わりました。前日年初来安値を更新したポンドドルは1.18ドル割れを辛うじて回避し小幅反発しました。
▶欧州時間:欧米金利低下、欧州通貨横ばい、ドル円軟調
前日のパウエル議長発言を機に上昇が加速し137円台に乗せたドル円は、東京午後には137.911円まで続伸し137.70円台でクローズ。ポンドドルは1.18111ドルまで年初来安値を更新、ユーロドルも前日安値を下回る1.05248ドルまで下落しました。
ユーロドルは1.0530ドル付近を底値にじり高となりましたが、1.0550ドル手前では上げ渋りNY参入まで横ばいが続き、ポンドドルも1.1810ドル台から1.1840ドル台で小動きで東京時間を終えました。
18時過ぎ、ヴィスコ・イタリア中銀総裁は「3月の会合では予定通り50bpの利上げだろう」と述べたほか、一昨日のホルツマン・オーストリア中銀総裁発言を念頭に置いてか「将来の利上げに関するメンバーの発言は感心しない」と苦情を述べました。
18時半にはディングラ・英MPC委員が引き締め過ぎのリスクに言及しましたが、テンレイロ委員と並ぶハト派の発言だけにマーケットに驚きもなく反応薄でした。
一方ドル円は、米金利が上昇幅を縮めるなかじり安となり137.70円台を頭に137.20円付近まで下落しNY勢を迎えました。
▶NY時間:米金利反転上昇でドル円317円台回復
NY時間に入って間もなく米10年債利回りはマイナス圏へ。2月ADP雇用者数の予想上振れに一瞬下げ止まったのも束の間、すぐに低下基調に戻ると安値を更新しました。米10年債に少し遅れ米2年債利回りもマイナス圏へと沈むとドル円は137円を割り込み136.70円割れまで安値を更新、ユーロドルは漸く1.0550ドルを上抜け1.0560ドル台へ乗せました。
24時、ADPに続き米1月JOLT求人数も予想を上振れると一瞬ドル買いが強まり、ドル円は137.15円付近へ反発、ユーロドルは1.0530ドル付近へ下落し、レンジに留まっていたポンドドルは1.18038ドルの安値を付けました。
しかし、この日は米下院での証言に立ったパウエルFRB議長が「3月会合については何も決まっていない」と強調するとドルは一転下落、ドル円は136.479円まで安値を更新、ユーロドルは1.05737ドル、ポンドドルは1.18589ドルの高値を付けました。
もっとも米金利の低下はここまでで、1時台に入りパウエル議長が前日同様「今年のデータはより高いターミナルレートを示唆」と述べると米2年債利回りはプラス圏に。米10年債利回りも3時の10年債入札後にはプラス圏を回復したことから引けにかけてドル円は137.30円台まで値を戻し3日続伸で取引を終えました。ユーロドルは1.0540ドル台で横ばいのまま引け小幅続落。ポンドドルは1.1840ドル台で引け小幅ながら前日から反発しました。
▶その他
米金利はNY午後には上昇に転じ10年債利回りは3.99%台へ、前日大幅に上昇した2年債利回りも5.07%台へ続伸しました。
ダウ平均は続落した一方ナスダックは3日ぶりに反発しました。
原油は続落。天然ガスは小幅反落。
金スポットはNY時間に失速し前日とほぼ変わらず。銀スポットは3日続落、一時20ドルを割り込み年初来安値を更新しました。
3/9 (Thu)
ドル円、クロス円はじり安。 アジア時間から持ち高調整の売りが続いたほか、英国株をはじめとした欧州圏の株式市場が軟調に推移した事でドル円は136円割れにかけ下落しました。
▶欧州時間:リスク回避の円買いが先行。米長期金利は一時4.00%超まで上昇するも続かず
東京時間序盤には高止まりする米長期金利を睨み、ドル円は東京時間前半につけた下値136.79円から137.16円台まで反発も見せましたが上昇は続かず、以降は弱含む中国の物価指数や株式市場の動向を受けリスク回避の円買いに終始しました。
東京時間昼過ぎに日銀総裁に植田氏、日銀副総裁に内田・氷見野両氏とする人事案が衆議院で同意されたものの、織り込みは進んでおり材料視はされませんでした。
欧州時間に入ると、米長期金利が上昇。 一時4.00%をつけるも勢いは続かず、3.98%から4.00%を天井としたレンジでの推移となりました。
また、独10年債利回りが2.704%まで上昇した事や英10年債利回りが3.825%まで上昇した事を受けユーロ、ポンドは対ドルで堅調に推移。
朝方の安値1.05362ドルをつけたユーロドルは1.05810ドルまで、ポンドドルは朝方の安値1.1830ドルから1.1901ドルまでの反発を見せましたが、昨日のNY時間での下げを帳消しにするほどの勢いはなく、材料に乏しい様子は否めないままNY時間を迎えました。
▶NY時間:弱い米指標が意識され米長期金利下落。ドル売りでのスタート
NY時間に入り、22時30分に米新規失業保険申請件数(前週分)が発表。 予想19.0万人に対し結果21.1万人と弱い結果に。
明日のNY時間に米雇用統計を控えている事もあり雇用に関する指標には敏感に反応しやすいマーケットである中で予想を下回った事によりドル円は136.305円から135.940円まで下落。 ユーロドルは1.58062ドル、ポンドドルは1.19357ドルまで高値を伸ばしました。
その後も米長期金利が3.9%付近まで低下する中、ドル円は上値が重く136円の攻防が続きましたが、136.131円と辛うじて136円台に乗せてのクローズとなりました。
▶その他
米10年債利回りは一時3.90%割れまで下落しました。 また米2年債利回りはより下げ幅が大きく4.8821%まで、0.18%余りの下落となりました。
米株は長期金利の下落を受け寄り付きこそ反発したものの引けにかけ大幅続落。 ダウ平均株価は543ドル安の3万2,254ドルでのクローズとなりました。
原油は続落、一時78ドル台まで反発するも買いは続かず再度76ドル割れ、週間安値を更新しました。天然ガスは2.5ドル割れまで反落し、こちらも週間安値を更新してのクローズとなりました。
金スポットは長期金利の下落とドル売りを材料に反発。銀スポットは狭いレンジでの推移となり、20ドルを挟んでの攻防に終始しました。
3/10 (Fri)
シリコンバレー銀行破綻のニュースが流れ、リスクオフの展開から株安、円買いとなりました。
一時134.113円をつけましたが終値にかけ上昇、135.099円で取引を終えています。
まとめ
ドル円の週足チャートになります。
今まで上昇が続いていたので調整入り局面のようです。
133円前半までの下げ余地はあるかなと考えています。
上は137.30円~137.50円を明確に抜ければ140円を目指す展開もあるのではと考えます。
ユーロドルですが、
週足を見ると上げそうな雰囲気が出ていますがどうでしょう。
来週はドルが売られて上昇するのか、ユーロが買われて上昇するのかそのあたりに注目していきたいと思います。
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