スポンサーリンク

為替相場 今週の振り返り(2/27-3/3)

TOP
スポンサーリンク

為替振り返り

スポンサーリンク

2/27 (Mon)

英国とEUが懸案だった北アイルランド問題で合意したことを受けポンドが全面高となりました。また、ECBのターミナルレート到達が来年にずれ込むとの見方が強まり、ドイツ10年債利回りが約12年ぶりとなる高値を付けユーロドルは6日ぶりに反発しました。

欧州時間:欧州通貨反発、ドル円は136円台前半でもみ合い

ドル円は一時先週高値を上抜け136.559円まで年初来高値を更新する局面があったものの買いは続かず、次第に売りに押され反落しましたが136円を前に下げ止まり136.35円付近でクローズ。ユーロドルは1.0560ドル付近、ポンドドルは1.1960ドル台を高値に反落し軟調地合いのまま欧州時間を迎えました。

また、参院で行われた植田次期日銀総裁候補の所信聴取及び質疑はサプライズなくマーケットに影響なし。本日は氷見野、内田両副総裁候補の所信聴取と質疑が行われる予定です。

安値圏で欧州勢を迎えた欧州通貨は売りが先行、ユーロドルは1.05332ドル、ポンドドルは1.19234まで売られ各々先週末安値を下回りましたが、軟調だったダウ先物が下げ止まり反発を始めるとじり高に転じ、20時台にはユーロドルは1.0570ドル手前、ポンドドルは1.1980ドル台まで上昇、東京高値を上抜けました。

ドイツ10年債利回りは上昇、18時台に入り騰勢を強めると19時過ぎには約12年ぶりの高値を付けました。

ドル円は序盤は欧州通貨の下落につれ136.44円まで上昇、欧州通貨が反発を始めると136円ちょうどまで下落しましたが、136円割れに失敗すると欧米株価の上昇に伴うクロス円の買いに136.444円まで値を戻しました。

NY時間:欧州通貨上昇、ポンド全面高

ドル円は136.25円付近、ユーロドルは1.0560ドル台、ポンドドルは1.1980ドル台の高値圏で迎えたNY序盤、米10年債利回りが上昇、年初来高値を3.9766%まで伸ばすなか、ユーロドルは1.0550ドル付近へ反落、ドル円は136.30円台へ小幅に上昇しました。一方ポンドドルは底堅さを見せ1.1980ドルを挟んでの横ばいが続きました。

動きが出たのが22時半、米1月耐久財受注(速報値)は区々な結果だったものの高値から失速した米10年債利回りがマイナス圏へ沈むとドルは全面安となりポンドドルは1.20ドル台に乗せ、ユーロドルは1.0580ドル台へ上昇、ドル円は136円を割り込みました。

22:30 米1月耐久財受注速報値(前月比)-4.5%、予想 -4.0%
(除輸送用機器、前月比) +0.7%、予想 +0.1%

23時過ぎ、BBCが「ブレグジット、合意に達する」と報じたものの、すでに織り込み済みであったためか反応は限定的でしたが、米10年債利回りが3.9%を割り込む動きにポンドドルは1.2050ドル台へ続伸、ユーロドルは1.06194ドルの高値を付け各々先週末高値を上抜けました。ドル円も再び136円を割り込みましたが安値は135.917円にとどまり、クロス円が持ち直すと136円台へと引き戻されました。

24時、米1月中古住宅販売が予想を大きく上振れたのを機に米10年債利回りが低下幅を縮め、寄り付きから堅調だった米株が失速するとドルは反発、ポンドドルは1.2020ドル割れ、ユーロドルは1.0580ドル近辺まで値を戻しましたが、米株の調整も一段落するとポンドドルは再び強含みNY午後には高値を1.20652ドルまで更新、ユーロドルは1.0610ドル台まで値を戻しました。

ドル円はその間136円台前半で膠着。結局、136.20円台で引け先週末から小幅反落、ユーロドルは1.0610ドル付近で引け6日ぶりに反発、ポンドドルは1.2060ドル台の高値圏で引け4日ぶりに反発しました。

その他

NY昼前、ジェファーソン・FRB理事が発言。インフレ目標引き上げの議論に対し否定的な見解を述べましたが、金融政策の見通しに関しては詳細な言及はありませんでした。

また、ロンドン引け前にはブイチッチ・クロアチア中銀総裁が「金利はまもなく抑制的な領域に入るだろう」「3月50bp利上げというマーケットの織り込みは正しい」などと述べましたが、マーケットへの影響はありませんでした。

米10年債利回りはプラス圏を回復できぬまま3.91%台で引け先週末から低下。米株は寄り付き後の勢いを失ったもののプラス圏で引け反発しました。

原油は3営業日ぶりに反落。天然ガスは4日続伸。

金スポットは6営業日ぶりの反発。銀スポットは4日続落し年初来安値を更新しました。

スポンサーリンク

2/28 (Tue)

欧州通貨が続伸し、一時ポンドドルは1.21ドル台半ば、ユーロドルは1.06ドル台半ばまで上昇しましたが、月末ロンドンフィクシングに向け売られると一転じり安となり、結局前日から下落し取引を終えました。ドル円はこの日も年初来高値を更新したもののNY時間には反落し、前日終値とほぼ変わらぬ水準で引けました。

欧州時間:欧州通貨上昇、ドル円高値更新

東京時間、ユーロドルは仲値以降売りが強まり1.0580ドル台へ反落、ポンドドルも1.2030ドル台へじり安となりました。ドル円は136円台前半でもみ合い欧州時間を迎えました。

東京引け後、レーン・ECB専務理事がインタビューに応え「3月の50bp利上げの公算は高いまま」「金利は数四半期にわたって抑制的な領域にとどまる可能性」などと述べたもののマーケットへの影響はなくユーロドルは1.05ドル台後半での小動きが続きました。

16時台に入り、フランス2月CPI速報値がEU基準前年比+7.2%と過去最高を記録するとドイツ10年債利回りが2.6%付近から急騰。17時スペインの2月CPI速報値も予想を上回る強い結果となるとドイツ10年債利回りは2.66%台半ばへと続伸、マーケットは瞬間的にECBターミナルレートを4%まで織り込みました。

金利上昇を受けユーロドルは1.0580ドル台から1.06ドル台を回復。17時過ぎにはユーロポンドが頭打ちとなると今度はポンドドルが上昇を開始、1.2030ドル割れから一気に前日高値@1.20652ドルを上抜けると1.21ドル手前まで上値を伸ばしました。ユーロドルもまた1.0625ドル付近まで続伸し前日高値を上回りました。

一方ドル円は136.20円台を底にじり高となるなか、フランスCPIを受けたドイツ金利上昇につれ米10年債利回りも上昇すると136.50円を上抜け買いが加速、136.85円付近まで高値を更新しました。

ドイツ10年債利回りはその後も高値圏で推移したことから、ユーロドルは1.06ドル台を維持し底堅く推移。ポンドドルは一段高となり20時前には1.21ドル台に乗せました。ドル円は高値からの押し目も136.70円近辺にとどまり高値圏でNY時間を迎えました。

NY時間

NY勢参入直後にはブイチッチ・クロアチア中銀総裁が発言。インフレの持続性に懸念を示しましたがここ数日発言が続いてただけに反応はなし。しかし、22時前のマン・英MPC委員の発言には金利はほぼ無反応だったものの、ポンドドルはこれをきっかけに持ち合いを上放れ1.2130ドル台へ続伸、ユーロドルも1.0640ドル付近まで上昇しました。ドル円は欧州通貨が上昇するなかでもクロス円の買いに押し目は限定的で、22時半過ぎには136.90円付近まで上値を伸ばしました。

・ブイチッチ・クロアチア中銀総裁
「インフレはかなりしつこく見える」
「インフレを引き戻すには時間がかかるだろう」

・マン・英MPC委員
「エネルギー価格の低下が消費支出を押し上げるかもしれない」
「ヘッドラインインフレが鈍化してもコアインフレの上昇につながる可能性がある」

その後、ここのところ好調な結果が続く米指標発表を前に米10年債利回りが3.9806%まで上昇して年初来高値を更新すると、ユーロドルは1.0615ドル割れ、ポンドドルは1.21ドルちょうど目前まで反落、ドル円は136.918円まで高値を伸ばしました。

ところが期待に反し米2月シカゴPMIが予想を下振れると米10年債利回りの上昇はストップ。24時には2月CB消費者信頼感、リッチモンド連銀製造業指数もまた相次いで予想を下振れると米10年債利回りはついに失速。ドル円はサポートとなっていた136.60円付近を下抜けると136.20円台まで反落しました。

米10年債利回りの低下に伴いユーロドルは1.06449ドル、ポンドドルは1.21420ドルの高値を付けましたが、直後に月末のフィクシングに向け債券が買われ英欧金利も低下を始めると流れは一気に欧州通貨売りに。ユーロドルは1.06ドルちょうど手前、ポンドドルは1.2105ドル付近まで値を戻しました。

月末のフィクシングも通過し調整も一段落と思われましたが、年初来高値を更新していたクロス円の売り戻しはその後も止まらず一転安値を更新する事態に。ユーロドル、ポンドドルのじり安は引けまで続き各々1.05743ドル、1.20189ドルまで下落し安値引けとなりました。

ドル円はクロス円の下落に伴い136円を割り込むと前日安値@135.917円も下抜け135.734円まで安値を更新。引けにかけては136.25円付近まで持ち直したものの、前日終値とほぼ変わらぬ136.20円台でクローズ、結局行って来いの一日となりました。

その他

年初来高値高値を3.9806%まで伸ばした米10年債利回りは3.90%割れまで低下したのち3.92%近辺で引け小幅続伸。米株は反落しました。

原油は反発。天然ガスは5日続伸。
金スポット、銀スポットともに年初来安値更新後に大幅に反発しました。

スポンサーリンク

3/1 (Wed)

独金利の上昇につれユーロドルが堅調に推移。一方ポンドドルはBOE総裁発言を受け追加利上げ観測が後退し一時大幅に下落しました。ドル円は米10年債利回りの動きにつれ135円台前半まで下落しましたが、NY時間は反発し3日連続で136.20円近辺で取引を終えました。

▶欧州時間:ユーロ堅調、ポンド失速、ドル円下落

東京時間は中国2月PMIの好調な結果を受け豪ドルが上昇。ドル円の上昇に伴い仲値まで軟調だったユーロドルは豪ドルにつれ高となり1.06ドル手前、ポンドドルは1.20ドル台半ばまで値を戻しました。ドル円は仲値に向け買われたものの136.50円を前に上げ渋り、その後は136円台前半でのもみ合いに終始し欧州時間を迎えました。

ユーロドルは買いが先行、欧州序盤早々に1.06ドル台に乗せるなか、先行指標的に見られるドイツNRW州の2月CPIが強くドイツ10年債利回りが上昇すると17時半過ぎには前日高値@1.06449ドルを上抜けました。その後もじり高傾向は続き、NY勢参入時には1.0670ドル台まで上値を伸ばしました。

17時過ぎにミュラー・エストニア中銀総裁、17時半過ぎビルロワドガロー・仏中銀総裁、19時過ぎにはナーゲル・ドイツ連銀総裁の発言が報じられましたが新鮮味に欠けマーケットの反応は限定的でした。

ポンドドルも1.2040ドル台からじり高となると17時半過ぎには1.20884ドルの高値を付け買いが一服、高値圏でもみ合いが続くなか、19時過ぎに報じられたベイリー・BOE総裁の発言がハト派的と捉えられ英追加利上げ機運が萎み英金利が低下すると1.2010ドル台へ反落しました。しかし、辛うじて早朝安値で下げ止まると1.2050ドル台まで持ち直しNY時間となりました。

・ベイリー・BOE総裁
「利上げは終わったとか、もっとやる必要があるとかを示唆することには慎重でありたい」
「更なる利上げが適切かもしれないが何も決まっていない」

一方ドル円は136.40円台が重く、対欧州通貨でドル売りが強まるなか直近サポートとなっていた136.20円付近を下抜けると欧米金利上昇にもかかわらず売りが加速、136円を割り込みました。その後しばらく136円挟みでもみ合いましたが、米10年債利回りが失速し始めると前日安値@135.734円を下抜け135.60円台まで下落。20時台には米10年債利回りがマイナス圏へ低下する動きにつれ下げ幅を拡大、NY勢参入直後には135.26円の安値を付けました。

▶NY時間:米10年債利回り4%到達、ユーロ堅調、ドル円持ち直し

22時、ドイツ2月CPI速報値は前月比・前年比ともに予想を上振れるとユーロドルは1.06912ドルまで上昇、この日の高値を付けました。しかし、3.9123%まで低下した米10年債利回りが持ち直し、堅調だったダウ先物が反落するとユーロドルは上げ渋り1.0670ドル台でのもみ合いとなりました。

ポンドドルはユーロドルの上昇につれ一時1.2070ドル台ま値を戻しましたが22時過ぎに失速し1.2010ドル割れまで安値を更新しました。

ドル円は米10年債利回りの持ち直しにつれ安値から反発、23時半過ぎには136円台を回復しました。

23時45分、米2月製造業PMI確報値は予想47.8に対し47.3と下振れたもののマーケットの反応は鈍く、続けて発表となった米2月ISM製造業は予想48.0に対し47.7とこちらも下振れ。1月建設支出もプラス予想のところ-0.1%となりました。

前日に続く米指標の下振れにもかかわらず米10年債利回りはなぜか急騰、一気に4%台に乗せたことからドルは全面高となり、ドル円は136.30円台へ上昇、ユーロドルは1.0640ドル台へ反落、ポンドドルは1.19659ドルまで安値を更新しました。

マーケットではISM価格指数の予想上振れが原因との見方がありましたが、1時過ぎには米10年債利回りの上昇も一服したことから、ロンドフィクシングに向けた月初絡みのフローによる動きだった可能性も。

1時を回ると米10年債利回りは4%台を維持できず上昇幅を縮小、ドル円は135.70円付近へ反落、ユーロドルは1.0670ドル台、ポンドドルは1.2040ドル台まで値を戻しました。

NY午後に入ると米10年債利回りは再び上昇を開始、5時台には4.0082%まで高値を更新しました。結局、ドル円は136.20円台まで戻し3日連続ほぼ同水準でのクローズに。ユーロドルは終盤持ち直し1.0660ドル台で、ポンドドルは1.2020ドル台で取引を終えました。

▶その他

米10年債利回りは高値圏にとどまり3.99%台でクローズ。米株は区々、ダウ平均は小幅反発、ナスダックは続落しました。

原油は続伸。天然ガスは小幅ながら上昇、続伸は6日目。
金スポットは3日続伸、銀スポットも続伸して引けました。

3/2 (Thu)

米10年債利回りが4.09%目前まで続伸。ドルは全面高となり、ドル円は昨年12月20日以来となる137円台にのせ年初来高値を更新しました。欧州通貨は東京時間からの軟調地合いが続き、ユーロドルはユーロ圏2月CPIの予想上振れも材料視されず1.05ドル後半へと反落。ポンドドルは前日のベイリーBOE総裁発言の余波が続き1.19ドル台前半まで下落しました。

▶欧州時間:ドル続伸

東京時間は米金利が上昇するなかドルは全面高となり、ドル円は132.026円を安値に132.678円までじり高となり高値圏でクローズ。ユーロドルは1.0670ドル台から1.0630ドル台へ、ポンドドルは1.2030ドル台から1.1980ドル台へ下落し欧州時間を迎えました。

欧州序盤、高止まりしていた米10年債利回りが4.04%台まで高値を更新するとドル買いが先行、ドル円は136.80円台へ続伸、ユーロドルは1.0630ドルを割り込み、ポンドドルは1.1950ドル台まで下げ幅を広げました。

17時過ぎにはラガルドECB総裁の発言が報じられましたが特段材料視されず。

・ラガルドECB総裁
「3月に50bpの利上げが必要」
「ECBは利上げを継続する可能性」
「最終的にどの水準まで利上げするかは分からない」
「利下げはインフレ2%の確証が取れた時のみ可能」など

18時にかけ米10年債利回りが上昇幅を縮めるとドルは反落、年初来高値にあと一歩届かなかったドル円は、途中「日銀が3月会合で現行緩和継続」との報道に急反発する局面もありましたが136.237円まで下落、ポンドドルは1.20ドル台を回復しました。一方ユーロドルはユーロクロスの売り戻しに上値は重く反発は1.0640ドル台にとどまりました。

18時台に入り米10年債利回りは再び上昇、4.04%台半ばまで僅かながら高値を更新するとドル円は136.60円台まで持ち直し、ユーロドルは1.0610ドル台まで安値を更新、ポンドドルは安値手前まで売られました。

19時、ユーロ圏2月CPIは前月比・前年比ともに予想を上振れ、コア指数は前月から加速し過去最高を記録しました。しかし、前日、前々日に主要国のCPIが上振れしていたことから強い結果は予見されていたためマーケットは反応薄でユーロドルはその後も軟調に推移、20時頃には独10年債利回りの低下につれ1.0610ドル台まで下落しました。

2月ユーロ圏HICP速報値(前月比)+0.8% 予想 +0.5% 前回 -0.2%
(前年比)+8.5% 予想 +8.3% 前回 +8.6%
コア速報値(前年比)+5.6% 予想 +5.3% 前回 +5.3%

▶NY時間:米10年債利回り続伸、ドル円137円台乗せ

ドル円は136.80円手前まで持ち直したのち136.60円付近で、ユーロドルは1.0625ドル付近、ポンドドルは1.1980ドル付近でNY時間を迎えました。NY序盤、米10年債利回りが4.01%を割り込むとドル売りが先行しましたが、米10年債利回りは直ぐに切り返し22時過ぎには高値付近まで上昇。ドル円は136.45円付近まで売られた後136.85円付近まで強含み、ユーロドルは1.0630ドル近辺から1.06ドルちょうど手前まで安値を更新、ポンドドルも1.1980ドル台から1.1940ドル台まで安値を更新しました。

ドル買いが再び強まるなか、21時半に公表されたECB議事録では「政策金利は過度な引締めを懸念する水準に近付いている」としつつも「引締め過ぎの懸念はまだ時期尚早」「利上げの前倒しは依然として有益」「3月の意向を示すことに同意できないとの意見があった」ことなどが示されましたが特に影響はなし。同時に公表されたシュナーベル・ECB理事の講演内容は主にQTに言及したものでこちらも反応薄でした。

22時半、米新規失業保険申請件数は19.0万件と予想19.5万件を下回ると、米10年債利回りは高値を上抜け急伸。5千人程度のブレに過剰な反応と思われましたが、マーケットは実は同時刻に発表された第4四半期単位労働コストの大幅上方修正(+3.2%、予想+1.6%、速報+1.1%、前期+2.4%)に反応した模様。米10年債利回りの急騰にドルは全面高となり、ドル円は昨年12月10日以来となる137円台に乗せ、ユーロドルは1.06ドルを割り込み1.0580ドル台まで下落、ポンドドルは1.19257ドルまで安値を更新しました。

米10年債利回りは4.08%台に乗せ上昇は一服、24時にかけ急騰前の水準まで戻し行って来いとなると、ドル円は高値137.099円から136.55円付近まで反落しました。ユーロドルは米株の上昇も相俟って1.0610ドル台、ポンドドルは1.1960ドル台まで反発しました。

しかし1時台に入り米10年債利回りがまたも上昇し米株が失速するとユーロドルは3時過ぎには1.05769ドルまで安値を更新、ポンドドルも反落したものの辛うじて安値手前で持ちこたえました。ドル円は137円ちょうど目前まで上昇しました。

3時半過ぎ、ボスティック・アトランタ連銀総裁の「3月は25bp利上げを支持する」との発言が意識されてか、米10年債利回りが失速し米株が上昇の勢いを増すと、ユーロドルは終盤に1.06ドル台を回復したのち1.06ドルを若干下回る水準でクローズ。ポンドドルは1.1950ドル台まで戻し1.1945ドル近辺で引けました。

ドル円は137円に届かぬまま136.60円付近まで反落、引けは136.70円台でした。

▶その他

米10年債利回りは高値圏を維持し4.05%台で引け続伸。
米株は米金利の上昇にもかかわらず前日から大幅に反発しました。

原油は3日続伸。天然ガスは7日ぶりに小幅反落。
金スポットは前日終値とほぼ変わらず。銀スポットは3日ぶりに反落しました。

3/3 (Fri)

週末を前に米10年債利回りが終日低下したことからドル買いは一服、ドル円は136円を割り込み前日に付けた年初来高値から一円以上反落したほか、ポンドドルとユーロドルは前日から反発し高値圏で取引を終えました。

▶欧州時間:米10年債利回り低下でドル売りもユーロは横ばい

東京時間は米10年債利回りが低下、新発10年債国債利回りが高止まりするなか、週末前のポジション調整と見られる売りにドル円は136.70円台から136.50円割れまで下げたのち136.65円付近でクローズ。ユーロドルはウンシュ・ベルギー中銀総裁の「インフレが高いままなら4%もあり得る」との発言をきっかけに1.06ドル割れから1.0615ドル付近まで小幅ながら上昇、ポンドドルも1.1945ドル付近を底値に1.1975ドル付近まで値を戻しドル軟調気味で欧州時間を迎えました。

欧州序盤、米10年債利回りが4.04%を割り込み低下幅を広げるとドル売りが先行。米10年債利回りの低下基調はNYオープンまで続いたことからドル円は136.66円を頭に上値を切り下げ、NY勢参入直前には瞬間的に136円を割り込みました。

ユーロドルはじり高で始まったものの足取りは重く、スペイン、イタリア、フランスの2月PMIの好結果に(イタリアはサービス業は予想を下振れるも総合は上振れ)漸く1.0630ドル手前まで上昇しました。

しかし、続くドイツ、ユーロ圏が下方修正される結果となった上、デギンドス・ECB副総裁の発言がハト寄りに捉えられ独10年債利回りが急低下するとユーロドルは反落、上値の重かったユーロポンドの底割れが売りに拍車をかけるなか、19時発表のユーロ圏1月PPIが予想を大きく下振れると1.06ドルちょうど目前まで下落しました。

独10年債利回りは2.70%割れで漸く下げ止まり反発したため、ユーロドルは辛うじて1.06ドル割れを回避したもののその後も上値は重く、1.0610ドル台でのもみ合いのなかNY時間となりました。

一方、ポンドドルは1.1965ドル付近から上昇、ユーロポンドの下落と2月PMIの上方修正とで1.20ドル台を回復しました。

【2月PMI】
スペイン サービス業    56.7 予想:53.7 前回:52.7
総合    55.7 予想:53.5 前回:51.6
イタリア サービス業    51.6 予想:52.3 前回:51.2
総合    52.2 予想:52.0 前回:51.2
フランス サービス業(確報)53.1 速報:52.8
総合(確報)51.7 速報:51.6
ドイツ  サービス業(確報)50.9 速報:51.3
総合(確報)50.7 速報:51.1
ユーロ圏 サービス業(確報)52.7 速報:53.0
総合(確報)52.0 速報:52.3

英国   サービス業(確報)53.5 速報:53.3
総合(確報)53.1 速報 53.0

ユーロ圏1月PPI(前月比) -2.8% 予想 -0.4% 前回:+1.1%
(前年比)+15.0% 予想 +17.8% 前回:+24.5%

・デギンドス・ECB副総裁
「インフレは年央までに6%以下に低下する可能性」
「金融政策はすでに効果を見せている」
「3月以降の利上げはデータ次第」など

なお、デギンドス副総裁発言の前後には、ヴァスレ・スロベニア中銀総裁が「3月以降もさらなる利上げを見込んでいる」、ミュラー・エストニア中銀総裁が「3月利上げは最後でない可能性高い」「金利はしばらくの間高い水準に留まる必要」「今躊躇すると後々もっと行動が求められる可能性」などと述べましたがマーケットへの影響はありませんでした。

▶NY時間:米10年債利回り低下幅拡大、ドル安値引け

ISMへの期待からか米10年債利回りは4%近辺で下げ止まりNY序盤には持ち直し始めるとドルは買戻しが先行、ユーロドルは再び1.06ドルに迫り、ポンドドルは1.2005ドル付近から1.1980ドル台へ反落、ドル円は136.20円台まで値を戻しました。

しかし米10年債利回りは4.02%近辺で頭打ちとなると再び低下、サポートとなっていた4%をクリアに下抜けるとドル売りが再燃し、ドル円は135.80円付近まで安値を更新、ポンドドルも1.2010ドル台まで高値を更新しました。もっともユーロドルは依然上値が重く、1.0630ドルを前に上げ渋り僅かに高値を上回るに止まりました。

23時45分、米2月PMIサービス業確報値は50.6と速報50.5から僅かに上昇修正されるも反応薄。24時、注目の2月ISM非製造業景況指数は55.1と予想54.5を上振れると米10年債利回りは安値圏から反発しましたが、4.02%台に乗せたところでまた失速、1時前にも4.02%台を試すも3度目の正直とはならず、以降はじりじりと低下幅を広げると、6時頃には3.9517%まで安値を更新しました。

ドルはISM発表後は米10年債利回りの動きに翻弄されたものの、引けにかけて米10年債利回りが低下したことからNY終盤には一段のドル安に。5時過ぎにはドル円は135.753円の安値を、ユーロドルは1.06382ドル、ポンドドルは1.20480ドルまで上値を伸ばし各々ドルの安値圏で取引を終えました。

NY午後にコリンズ・ボストン連銀総裁、引け間際にはバーキン・リッチモンド連銀総裁が発言しましたが、この日のドル安の流れに影響を与えることはありませんでした。

▶その他

米10年債利回りは結局3.95%台で安値引け。
米株は金利低下を好感し続伸しました。

3日続伸していた原油は一時持合いを下抜け76ドル割れまで急落しましたが、その後V字反発して引け4日続伸。
前日に上昇が途絶えた天然ガスはこの日は再び上昇し3ドル台を回復しました。
金スポット、銀スポットともに大幅に上昇し週高値で引けました。

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました