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今週の大きなトピックスは日銀の利上げでした。(12月20日)
日銀が金利の上昇を許容することとなり市場では事実上金融引き締めにあたるという受け止めから円高ドル安が加速しました。
12/19 (Mon)
政府・日銀が共同声明を見直すとの週末の報道を受け売りが先行したドル円は135円台後半で下げ止まり反発、NY時間に入り米金利が上昇すると買戻しが一段と強まり一時137円台を回復しました。欧州序盤に買いが先行したユーロドルは1.06ドル台半ばで頭打ちとなると1.05ドル台後半へ反落、NY時間には先週末安値を下抜けましたが売りは続かず1.06ドル台を維持し小幅高でクローズ。ポンドドルは先週末高値を一時上抜けたのち反落しましたが、先週末安値には届かず小幅安で取引を終えました。
欧州時間:ドル売り先行も米金利上昇・米株失速でドル買い戻し
ダウ先物がじり高となるなかドル売りが先行、ポンドドルは1.2170ドル付近から上昇すると先週末レジスタンスとなっていた1.2220ドル付近を上抜け1.22412ドルまで上昇、ユーロドルは1.06ドルちょうど手前から1.06578ドルまで上値を伸ばし、各々この日の高値を付けました。
しかし、ダウ先物の上昇が一服、米10年債利回りが上昇を始めると一転ドルは買い戻しが優勢となり、ポンドドルは1.2180ドル付近まで反落、ユーロドルは1.06ドルちょうど手前まで値を戻し行って来いとなりました。
ドル円は売りが先行、135.755円まで僅かながら東京安値を更新しましたが、ダウ先物の上昇にクロス円が強含むとじり高に転じ136.30円台へ値を戻したところでNY時間となりました。
NY時間:ドル円続伸
NY時間に入り米10年債利回りが上昇を始めるとドル円の買戻しは強まり22時台には早朝高値@136.603円を上抜け136.80円付近まで一段高となりました。ドルは全面高となったもののポンドドルは東京安値@1.21551ドルを前に下げ止まり、ユーロドルも1.06ドル割れは買い意欲が強くしばらく安値圏で小康状態が続きましたが、24時半過ぎに「EUエネルギー閣僚がガス価格キャップに180ユーロで合意」(欧州委員会での提案は275ユーロ)と報じられ欧州金利が低下すると、ユーロドルは先週末安値@1.05853ドルを下抜け1.05762ドルまで安値を更新、ポンドドルも1.21218ドルまでつれ安となりました。
ただ、下落は一時的で、ユーロドルは安値から1.0630ドル台へ急反発、ポンドドルも1.2190ドル台まで値を戻しました。しかしNY午後に入り米株が一段安となると徐々に失速、ポンドドルは1.2140ドル台で引け小幅ながら3日続落、ユーロドルは辛うじて1.06ドル台を維持し小幅反発で取引を終えました。
ドル円はユーロドルが急落した局面で136.50円台から一気に高値となる137.161円まで上昇、先週金曜日の米PMI発表前の水準まで戻しました。その後の下押しも136.70円付近に止まり136.90円台で引けを迎えました。
その他
米金利は上昇、米株は4日続落。
原油は3営業日ぶりの反発、天然ガスはNY時間に一段安となり大幅続落で終えています。
金スポット、銀スポットはともに反落しました。
12/20 (Tue)
日銀によるまさかの長期金利許容変動幅拡大を受け急伸した円は海外市場でも続伸。ドル円はロンドン引けにかけて130円台半ばまで下落したほか、ユーロ円は138円台後半、ポンド円は158円台半ばまで下げ幅を広げ円独歩高となりました。ユーロドルはドル円の上昇につれ強含んだものの、先週金曜日以降レジスタンスとなっている1.0660ドル付近を抜け切れず1.06ドル台前半で引け小幅続伸。ポンドドルは方向感なく1.21ドル台での上下動に終始しました。
東京時間:日銀の不意打ちを食らい円急騰
東京時間正午、今年最後の政策決定会合を終えた日銀は、市場予想通り政策金利を据え置いたものの、長期金利の許容変動幅を従来の±0.25%程度から±0.50%程度に拡大すると発表。今年最大のサプライズのひとつとも言えるこの決定に、完全にノーガードだったマーケットは大荒れとなりました。
ドル円は、ゴトー日の仲値買いで137円台半ばまで上昇後も高値圏で強含みだったことも仇となり売りが殺到、15分後には133円前半まで急落し下げ幅は4円を超えました。その後134円台前半まで自律反発したもののすぐまたじり安となり133円を割り込んだところで欧州時間を迎えました。
ユーロドルは日銀発表後のドル円の急落につれ買いで反応し1.0650ドル台まで上昇したものの、ユーロ円の売りを浴びあっという間に1.06ドルちょうど付近へ反落、しばらく1.06ドルを前に下げ止まりましたが、14時台には1.06ドルを割り込むと安値となる1.05793ドルまで下落し東京時間を終えました。
ポンドドルもユーロ同様上昇、1.22231ドルの高値を付けたのち急反落すると東京引け間際には一転安値となる1.20865ドルまで下落、結局終日このレンジを抜けることはありませんでした。
欧州時間:黒田総裁会見を受けての反発も一時的、ドル軟調
ドル円は売りが先行し132.70円割れまで安値を更新。15時半から始まった会見で黒田総裁は、今回の措置は緩和政策の転換ではないことを強調、更なる拡大の可能性を否定するとともに、出口戦略の議論には時期尚早であると述べました。
会見中にドル円は買戻しが強まり133.70円付近まで反発、約一円ほど値を戻しましたが、総裁会見が終了するやドル円は失速、18時台には132円ちょうど付近まで安値を伸ばしました。その後も反発は乏しく132円台半ばでNY勢を迎えました。
一方ユーロドルは欧州勢参入後はじり高に転じ早々に1.06ドル台を回復、20時台には1.0640ドル台まで値を戻しました。ビルロワドガロー仏中銀総裁は、ユーロ圏はリセッションを回避できると景気に楽観的な見方を述べたほか、カジミール・スロバキア中銀総裁は、今後について安定した利上げペースが必要であり、どの水準で、どの程度の期間、高めの金利を維持すべきかが問題であると、前日に続きタカ派的な認識を示しました。またミューラー・エストニア中銀総裁も「これまでの利上げでは不十分」と述べています。
一方ポンドドルは1.21ドル台に戻しNY時間を迎えると買戻しが先行。しかし1.22ドル手前で失速し、1.21ドル台半ばで一進一退が続きました。
NY時間:円高止まらずドル円は8月安値に迫る
既に東京時間から5円以上下落したこともありNY勢は値ごろ感から買いが先行しましたが、132.90円付近は既に重く132円台後半でのもみ合いがしばらく続きました。22時半発表の米住宅関連指標は区々な結果でしたが、1.22ドルちょうど付近を底にいち早く上昇を始めたポンドドルにつれドル売りが再燃すると、ドル円は持合いを下放れじり安に。24時台には132円を割り込むと売りが加速し、1時過ぎには一気に131円の節目まで下げ幅を拡大しました。しかしここでも売りは止まず、ロンドン引けに向けロングの投げが強まると2時過ぎには131円も割り込み130.571円まで下落しました。東京高値からはほぼ7円の下落となり、11月10日の米CPIショック時の下落幅を超えました。
ドル円につれユーロ円も138.811円まで下落し高値から約7円、ポンド円に至っては158.612円まで約8.5円も値を下げ、ともに9月下旬以来の水準まで大幅安となりました。
ロンドン勢が撤収するとようやくドル円の売りも一服。NY午後の薄商いのなか131.80円台まで値を戻し131.70円付近で波乱の一日を終えました。
ユーロドルはドル円が132円を割り込んだ局面で1.06583ドルまで僅かながら高値を更新したものの買いは続かず、NY午後には一時1.06ドルを割り込んだのち1.0620ドルで引け小幅続伸。ポンドドルは引けにかけじり高が続き1.2180ドル台で取引を終えました。
その他
米10年債利回りは東京時間に付けた高値3.7%台を超えられなかったものの3.68%台へ上昇しクローズ。一方2年債利回りは失速し小幅低下で終わりました。
米株は底堅く推移しプラス圏を維持、5日ぶりに反発しました。
原油は小幅続伸、天然ガスは3日続落し10月安値に迫りました。
金スポットは大幅反発、銀スポットも大幅反発し4月以来の水準まで上昇しました。
12/21 (Wed)
材料も乏しく、大荒れの前日から早くも通常運転に戻りました。ドル円は前日安値から約2円戻す132円台半ばまで上昇しましたが、概ね132円を挟んでの一進一退が続き、一日の値幅は一円未満にとどまりました。ユーロドルは主に1.06ドル前半での小動きが続いた一方、ポンドドルはポンド全面安となるなか、月初の水準となる1.20ドル台半ばまで下落しました。
欧州時間:ドル売り先行もポンド軟調でドル買い戻し
ドル円は東京時間131.501円を安値に仲値に向け上昇、132.30円台まで上値を伸ばし132.10円台で東京をクローズ。ユーロドルは1.06ドル台前半での小動きが続き値幅は20pips程度にとどまりました。ポンドドルは1.21914ドルを高値に1.2160ドル台まで値を下げ欧州時間を迎えました。
132.30円台で上値の重さを確認したドル円は欧州序盤から売りが先行、18時前には131.548円まで下落し東京安値に迫りましたが、ポンドドルが1.2140ドル付近を下抜け一段安となり全般ドル買いが強まるとじり高に転じ131.95円付近まで反発、131.80円台でNY時間となりました。
軟調だったポンドドルは1.2150ドル付近で一旦下げ止まり1.2180ドル台まで値を戻しましたが17時過ぎには反落、1.2140ドル付近を下抜けると上値を切り下げ20時台には1.21ドルを割り込みました。英国の公的部門借入額拡大を嫌気した売りとの見方もありましたが、16時発表後ポンドドルは寧ろ上昇したことから、17時以降強まったユーロポンドの買いが波及した結果と思われます。
ユーロドルは1.0610ドル付近を底に1.0630ドル台に乗せ東京高値を上抜けましたが、ポンドドルの下落につれ1.0605ドル付近まで反落、東京安値を小幅更新したところでNY勢を迎えました。
NY時間:米株高、米金利低下もドルは小じっかり
先週末高値を上抜け堅調に推移していたユーロポンドがNY勢参入後に失速するとポンドドルは1.2090ドル割れから1.2160ドル台へ反発、1.06ドルを目前に踏みとどまったユーロドルも1.06451ドルまで上昇し高値を更新しました。
しかし22時半過ぎにユーロポンドの調整売りが一巡し再び上昇基調に戻ると、ポンドドルは1.2090ドル付近へ値を戻し、ユーロドルは1.06ドルを割り込み安値を更新しました。
24時台に入り寄り付きから買いが先行していた米株が上昇幅を広げると、ポンドドルは1.2130ドル台、ユーロドルは1.0630ドル台まで一時持ち直しましたが、低下基調にあった米10年債利回りがプラス圏を回復する動きにドル買いが強まると、ポンドドルは1.20563ドル、ユーロドルは1.05905ドルの安値を付けました。
一方ドル円はNY序盤から米10年債利回りが低下幅を広げたにもかかわらず、欧州通貨の反発につれクロス円の買い戻しが強まったことから押し目は131.70円台に止まり、22時半過ぎに欧州通貨が失速するなかクロス円の買戻しが続くと米10年債利回りが3.6194%の安値まで低下したタイミングで132.527円の高値を付けました。
その後、米10年債利回りが反発し欧州通貨が反落するとともにクロス円の買戻しも一巡するとドル円は131.80円まで値を戻しましたが、米10年債利回りがプラス圏を回復する動きに再び132.50円付近まで上昇しました。
NY午後に入っても米株は高値圏で底堅く推移、一方米10年債利回りは再びマイナス圏に低下しました。ユーロドルは1.0620ドル付近まで値を戻したのち1.0605ドル付近で引け小幅反落。ポンドドルは1.21ドル台を回復できぬまま1.2080ドル台で取引を終え前日から反落しました。ドル円は132円台を維持すると132.40円台まで強含み引けを迎えました。
その他
24時発表、米12月CB消費者信頼感指数は予想101.0に対し108.3と上振れましたがドル買いは一時的でした。米11月中古住宅販売件数は409万件と予想420万件を下回りました。
買いが先行した米株は、米12月CB消費者信頼感指数の予想上振れを機に一段高となり続伸、ダウ平均の上昇幅は500ドルを超えました。
米10年債利回りはNY時間に3.6194%まで低下したのち一時プラス圏を回復しましたが、3.66%台半ばで引け前日から低下しました。米2年債利回りは欧州序盤以降マイナス圏での推移が続きました。
原油は欧州時間から大幅に上昇、EIA(米エネルギー省)週間石油在庫が積み増し予想に反し大幅な取り崩しとなったこともあり78ドル台半ばまで上昇しました。天然ガスは小幅反発。
金スポットはドル高のなか小幅反落、銀スポットも前日高値を上抜けたのち反落しました。
12/22 (Thu)
ドルが続伸。ドル円は前日高値を上抜け一時132.70円台まで上昇しました。ポンドは前日に続きこの日も軟調に推移し、ポンドドルは一時1.20ドルを割り込んだほか、ユーロポンドは10/12以来の水準となる0.8830ポンド台まで上昇しました。ユーロドルは週初からのレンジを上下両サイド更新しましたが、結局前日から小幅安で取引を終えました。
欧州時間:欧州通貨高値更新後失速、ドル円じり高
ドル円は9時過ぎに132.465円の高値を付けたのち仲値に向けて売られると仲値後も続落、132円を割り込んで東京昼前にはこの日の安値となる131.644円まで下落しました。しかし、売り一巡後はじりじりと値を戻し131.90円台で東京時間を終えました。
ユーロドルはNYクローズ直後の1.06054ドルを底に下値を切り上げ1.0650ドル手前まで上昇、ポンドドルもじり高となり1.20755ドルから1.2134ドルまで値を戻しました。
欧州序盤、デギンドス・ECB副議長が仏ルモンド紙へのインタビューで「50bpの利上げは短期的に新しい標準になるかもしれない」「しばらく今のペースでの利上げを予想すべき。その後金利は制限的な領域へ」「マーケットがインフレの持続性を過小評価することを懸念」と述べたと報じられると、ユーロドルは買いが先行しましたが、上昇は10pipsほどに止まりました。
16時、英第3四半期GDP、個人消費が下方修正される結果にポンドドルは1.21ドル手前まで売られましたが、前日高値を更新したユーロポンドに利食い売りが入ると上昇に転じ1.21469ドルの高値を付けました。しかし、ユーロポンドの売り一巡後は高値から反落し1.21ドルを割り込むと、20時過ぎには早朝安値も下抜け売りが加速、1.2045ドル付近でNY時間を迎えました。
一方、ユーロドルはポンドドルが高値を付けた局面で1.06590ドルまで上昇し週初からのレンジを僅かながら更新しましたが、ポンドドルが失速すると買いは一服。18時半過ぎには「中国当局、海外渡航者の隔離期間短縮を検討へ」との報道にダウ先物が強含むと再び1.0650ドル台に乗せましたが、ダウ先物の買いは続かずマイナス圏へ転落すると1.0610ドル台まで上げ幅を縮めました。
ドル円は欧州序盤から米金利が低下幅を広げたにもかかわらず、131.75円付近から下値を切り上げ上昇、20時台には132.20円手前まで値を戻し132.10円付近でNY時間となりました。
NY時間:米金利上昇・米株下落・ドル高
NY序盤はドル売りが先行。ユーロドルは1.0610ドル台から1.0630ドル台へ反発、ポンドドルは1.2040ドル割れまで下げたのち1.2060ドル台まで値を戻しました。
ドル円も132.15円付近が重く131.90円近辺まで弱含みましたが、22時半発表の米第3四半期GDP、個人消費、コアPCEが全て上方修正される結果に米金利が上昇すると急騰、前日高値@132.527円を上抜けるとストップロスを巻き込み132.725円まで高値を更新しました。ドルは全面高となり、ユーロドルは1.0580ドル台まで下落、ポンドドルは1.20ドルを割り込みました。
・米第3四半期 確報値(前期比年率)
GDP +3.2%、予想 +2.9%
個人消費 +2.3%、予想 +1.7%
コアPCE +4.7%、予想 +4.6%
米10年債利回りの上昇も一服するとドル円は欧州時間の高値だった132.10円台まで値を戻しギャップを埋めました。NY午後に入ると米10年債利回りが再び上昇、5時台には高値を更新しましたが。ドル円の上昇は132.50円前後までで、前日から小幅反落となる132.35円付近で取引を終えました。
ユーロドルは1.0590ドル台で引け前日から小幅続落。1.20ドル割れは短命に終わったポンドドルは安値からの反発も1.2050ドルに届かず1.2040ドル台で引けました。
その他
米10年債利回りは3.67%台後半で引け前日から小幅上昇。
米株は3日に反落、ダウ平均は一時800ドル近く下落しました。
原油は80ドル手前まで上昇しましたが、NY時間に反落。
天然ガスは小幅続伸しました。
金スポットは大幅続落し、週初めの水準まで戻し行って来い。
銀スポットも続落しました。
12/23 (Fri)
ドル円の戻りを試す展開となっており、NY時間に133.137円をつけたものの132円台に押し戻され132.766円で取引を終えている。
まとめ
日銀の利上げで一気に動きが出たと思ったらまた落ち着いた相場になってきました。
より一層ボラティリティが低下すると思いますので、突発的なニュースに気を付けながら取引を行ってまいりましょう。
メリークリスマス。
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